ポリビニルアルコールとは?

ポリビニルアルコール(PVOH/PVA)は汎用性の高い水溶性ポリマーで、多くの産業で使用されています。包装産業や接着剤産業など、様々な産業において必要とされている素材です。
こちらのブログ記事では、PVOHとは何か、どのように製造され、どのような用途に使われるのかについて詳しくご紹介いたします。

[Translate to Japanisch:] What is Polyvinyl alcohol?


ポリビニルアルコールの製造

PVOHは、酢酸ビニルモノマー分子をいくつもつないでポリ酢酸ビニルにする反応(重合)と、そのポリ酢酸ビニルの酢酸基を水酸基に置き換えて合成する反応(けん化)によって作られます。

この重合度とけん化度によって、PVOHの特性が変わり、それぞれの用途に合った様々な銘柄があります。
重合度は、PVOH水溶液の粘度、皮膜の強度などに大きく影響します。
そしてけん化度は、水への溶解性、皮膜の耐水性などに影響を与えます。

ポリビニルアルコールの特性

ポリビニルアルコールの特性

PVOHには以下のような特性があります:

  • 水溶性:合成高分子の一種でありながら“水に溶ける”というユニークな性質を持っています。一方で、ほとんど有機溶剤には溶けないことから、耐溶剤性が求められる用途に使用されています。
  • 造膜性:透明で強度のある膜を形成し、酸素バリアや臭気バリアに優れた素材として使用することができます。
  • 引張強度:他の水溶性ポリマーに比べ、機械的強度に優れ、高い靭性があります。
  • 耐油・耐有機薬品性:動植物油類、鉱物油類、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、エーテル類、エステル類、ケトン類等の多くの有機薬品に対して耐性を持っています。
  • 生体適合性: PVOHは毒性が低いため、医療用途や食品と接触する用途でも使用されることがあります。詳細は各用途の法規を参照する必要があります。

ポリビニルアルコールの様々な用途

PVOHは上記の様々な特性を活かし、多くの場面で活躍しています。包装産業や繊維産業、建設産業など、PVOHが活用されている場は多岐・広範囲にわたっています。
またその多機能性から、新規性や環境に配慮した持続可能性が重視される用途にもよく使われる素材です。

PVOHは長年にわたって使用されてきた素材ですが、クラレは新たな用途や改良のために日々研究開発を続けています。このポリマーはまだまだ多くの可能性を秘めており、クラレは今後もその可能性を引き出すために積極的な開発に励んでいきます。

用途

ポリビニルアルコールの様々な用途